みんなでシェアする街の止まり木
ステキな公園ってなんだろう。きれいに遊歩道が整備されていたり、安全な遊具があったりっていうのも重要だけど、
使い手によって色や空気感が変わる、変幻自在な公園があったらおもしろい。
徳島市を流れる新町川ほとりの倉庫街・万代中央ふ頭。インテリアショップやカフェなどが相次いで誕生し、週末は水辺を行き交う人々で賑わう。
そんな街の一角で、2019年4月29日(月)と4月30日(火)のゴールデンウィークにイベントが行われた。
その名も「初夏の足音-シェア公園ってなに?-」
会場となったのは、家具のショールームである+aswood(タスウッド)および、万代中央ふ頭の新町川沿いと一本南の裏通りを結ぶ、通り庭となるアクアチッタパーク。
アクアチッタパークは徳島発・日本初の民営のシェア公園。誰でも公園のレンタルができ、好きなときに自由な使い方ができる。
例えば手づくり市やビアガーデンを主催したり、BBQやママ友とのランチ会にだって使える。
そしてふだんはみんなの憩いの場に。
+aswoodの代表・鎌田耕志さんと仕掛け人である建築家の髙橋広樹さん(かたちとことばデザイン舎)とが、このシェア公園のお披露会にと、今回のイベント開催に至った。
イベントでは、アクアチッタパークを応援する人たちが出展者となった。丁寧な手しごとで作品を生み出す作家さんや、体にやさしいごはんを作る料理人など、肩書きは様々。会場は日々の暮らしを豊かにするモノたちで溢れた。
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ソライロテーブル(非店舗型)
「徳島のおいしい野菜を知ってほしい」との思いから始まったナチュラル食堂。有機野菜や減農薬野菜が主役の体にやさしい料理が魅力。この日は、豆乳と野菜を使うキッシュやラタトゥイユなど6種が並び、1000円で食べ放題。
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鹿の子(徳島市秋田町)
(かのこ)
ワインやビールなど1万種以上を扱う老舗の酒販店。4種を飲み比べできるフルーツビールやベルギービールなど、選りすぐりのお酒が並んだ。
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Vin Vino(徳島市鷹匠町)
(ヴァンビーノ)
世界各国の銘柄を揃えるワインバー。深いコクと渋みを感じるフルボディの赤ワインや、フルーティーで華やかなスペイン産のボデガス・ルマーズなどを販売。
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365coffee stand
一杯一杯ハンドドリップでコーヒーを淹れる。20代の若いふたりの屈託のない笑顔が印象的。
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LaLa Products
「ラララと歌い出すように楽しい気分になれる物作り」がコンセプト。カラフルでポップなアフリカ布を使った洋服やバッグ、ピアスやコインケースなどを手がける。
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PLUS GARDENS(石井町)
庭づくりのプロによるワークショップを開催。多肉植物の寄せ植え体験や、風鈴とガーランドづくりの教室も行った。
道行く人の足を止めたのは、京都市立芸術大学に通う内野小春さんによるライブペインティング。水やしずくを連想させるような爽やかな絵が描かれ、園内が華やいだ。
とくしま建築学生スタジオ(東新町)が作った木製の蝶ネクタイが、フリーフードのチケット。早速身につけるお客さん。
公園のウッドデッキには、たくさんの名前やロゴが刻まれている。アクアチッタパークを支援する証だ。
ゆくゆくはこのウッドデッキを増やし、芝生を植え、公園の中央にプロムナードを作る予定も。まちなか案内所や地域の図書館、カフェの誘致なども考えている。
公園は平日3時間3000円~、土日祝祭日は 終日1万5000円で貸し出す。
キッチンとトイレを備えたコンテナや、木製の屋台も貸し出しに付属する。
料金詳細等はOTSUCLE(おつくる)のサイトより
https://otsucle.jp/cf/project/1733.html
今週末の6月9日(日)は、アクアチッタパークにて「ドッグミーティング」と題したイベントを開催する。10の出展者が集い、天然酵母パンやコーヒー、わんこ用のかき氷や雑貨などを販売。愛犬と散歩がてらに足を運ぶのもいい。
もともと万代中央ふ頭は海上交通や物流の拠点として栄えてきた。
時代の流れと共に倉庫群だけが取り残され、10年以上前は荒廃感が漂う場所だったという。
地域の人の手によって少しずつ生まれ変わり、アクアチッタパークは歩ける海辺のまち「アクア・チッタ」の進展に拍車をかけている。